愛の雫
再び沈黙に包まれたあたし達は、誰からともなく何度もため息が漏れていた。


パパだけはずっと立ったまま手術室を見つめていて、その不安そうな表情に胸の奥がグッと締め付けられる。


最初は、どうしてこんな気持ちになるのか自分に問い掛けてみても、理由はちっともわからなかった。


だけど…


不意にハッとして、息を呑んだ。


今のパパは、ママが亡くなる前に何度も見せていた表情をしているから、自分(アタシ)までこんな気持ちになるんだって事に気付いてしまったから…。


< 574 / 830 >

この作品をシェア

pagetop