愛の雫
「良かった……」


ため息混じりに呟いた凪兄は、顔を片手で覆った。


もう片方の手はまだあたしの手を握ってくれていて、左手に感じるその温もりにホッとする。


「お水、飲める?」


心配そうな顔をしている奈緒ちゃんに訊かれて頷くと、彼女がペットボトルのミネラルウォーターを差し出してくれた。


いつの間にか用意してくれていたそれを受け取ったあたしの手に、ひんやりとした感覚が伝わる。


ゆっくりと起き上がって一口飲むと、渇き切った喉を優しく潤してくれた。


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