愛の雫
「希咲ちゃんのお母さんが亡くなった後、広之さんはちっとも笑わなくて……。社内で顔を合わせる度に、もしかして死んじゃうんじゃないかって思ったくらいだったわ……」


同じだ、って思った。


陽子さんの言葉は、ママが亡くなった後、あたしがパパに感じていた事と同じだったんだ…。


あの頃のパパには、その時までに見せていた覇気(ハキ)なんて欠片も無くて、微笑んだと思えば消えそうなくらい弱々しくて…


子供(アタシ)を置いて、ママの後を追うんじゃないかと思うくらいだった。


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