【一話完結×短編集】ビター&スィート
「貰っといて何だけど…

俺、甘い物…苦手なんだ」




えっ…




「ごめんなさいっ」




「いや、それはいいんだけど…」




良くないよ…


嫌いな物を贈っちゃったなんて最悪…



「新原はそれ知ってるから

代わりに食ってやろうか?

なんて言って

からかってくるから…

無理だって言ったんだ」




「そんな…それなら

あげてくれたら良かったのに…」



「…やれる訳ねぇよ」



日野崎くんはそう言うと

顔を外に向けた




「チョコ苦手だけど…あれは全部食えたし食った

…だから、お返し」




ズイッと寄せられた袋は

青と水色の空色の袋で…




じっと見つめた





「何で忘れてって言われたのかわかんねぇし

たった1日で嫌われたのかもしれねぇけど…


それでも、それだけでも受け取ってくれよ」




どうして…そんな悲しそうに微笑むの?



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