花葬の時間
暗闇でガサガサと物音がして、シュッと何かが擦れる音とともに周りが明るくなる。
淡い光に照らし出されたイチ君の顔が、どうしようもなく……。
こわい。
だって蝋燭に灯した火を見つめて、不気味にニタリと笑うから。
「この蝋燭ね、僕が作ったんだよ」
「へ、へー…」
知るか!
なんて心の中で吐き捨てて。
「来て、ニナちゃん」
そう言ってイチ君は「ニナ」を肩に担ぐように乗せて、わたしに手を差し出した。
…………。
わたしにイチ君の手を握れって?
無理!
さっきは目隠しで目が見えなかったから仕方なかったけど。イチ君と手を繋ぐとか……。
ほら、心臓がバクバクしていやだって言ってる。
「も、もう見えるから大丈夫だよ!」
わたしはイチ君の手を避けて歩き出した。
そしたら、後ろからイチ君のクスッていう鼻で笑う声が聞こえてきて、わたしをまた不機嫌にさせた。