花葬の時間
わたしはイチ君に先に行けと指を指して促した。
そしたらイチ君はニターって目は細めずに、口角だけあげて笑う。
だから、なんでそんな不気味に笑うのよ…!もうちょっと普通に笑えないの、普通に!
こんなのが可愛いだなんて先生もみんなもどうかしてる。
「ニナちゃんがそこまでして言うなら、先に行くね」
イチ君は最後まで不気味な笑みを浮かべながら、わたしに背を向けた。
そして地面に膝をつくと腰を屈めてズリズリとこれまた気味悪い音をたてて前へ進む。
どうしよう…、わたし、生きて帰ってこれるよね?
「ね、ねえ、イチ君?ちゃんと帰るよね?」
イチ君と同じように腰を屈めて、穴に潜り込んでしばらく。わたしの不安は最大限に増していた。
「なんでそんなこと聞くの?」
イチ君から返ってくる言葉はわたしの不安を煽るだけだった。
なんでそんな事聞くの、って聞くでしょうよ!
むしろ家に帰れるかどうかより、生きて帰れるかどうかの方が心配だ。
「はは、心配性だなぁ、ニナちゃんは。いくら僕がニナちゃんの事、気に入ってるからってそこまで束縛しないよ?」
「は?」