†Dragon Guardian†

「もしそうでしたらわざ
わざお父様の所まで依頼
なさる必要がないのでは
ないでしょうか?」


弥嘉が徐に口を開くのを
眺めた男は、当時を思い
出しながら呆れた表情を
しつつ言葉を紡いだ。


「馬鹿なことに、壱加は
前の居候先で発火能力を
使ったらしい。チャッカ
マンが見当たらないとか
何とか言って……それが
運悪く居候先の子供達に
知られて遂には警察沙汰
になったらしい。その後
結果的には、国家に目を
つけられ追われる羽目に
なったってわけだ」

「ああっ!!それで急遽、
守護者要請をなさったの
ですね。今回もそうです
けれども、昔からお父様
の元には何やら訳ありの
方々がよくいらっしゃっ
ていましたよね」


父親から壱加の過去話を
聞いた弥嘉は、無意識に
笑みを浮かべていた。


「全くだ……対ドラゴン
顧問も楽じゃない」


そう呟くなり男は思わず苦笑を漏らした。
< 74 / 287 >

この作品をシェア

pagetop