†Dragon Guardian†
弥嘉の両眼に見慣れない
灰色の天井とかけ布団が
飛び込んできた。
それを見た弥嘉は自身が
医務室にいることをよう
やく悟ったのである。
ベッドから起きあがろう
にも、彼女の思うように
体を動かせない。
「大丈夫かい?」
先程までの男性が弥嘉に
顔を覗かせていた。
「急に倒れたもんだから
驚いたよ……体調が悪い
なら早めに言わなきゃ」
そう言って男性は弥嘉の
頭を軽く小突いた。
「ご心配をおかけして、
すみませんでした」
弥嘉が頭を下げて謝罪を
すると、男性は少しだけ
困ったような顔をした。
それを眺めた瞬間、また
もや弥嘉の視界が暗黒に
包まれたために、彼女は
少しばかりよろめいた。
男性は慌てて駆け寄るが
弥嘉はそれを制止した。
―――その力をやたらと
人に見せないこと―――
父親の重厚な声が弥嘉の
意識を全て支配した。