虹の都へ
「はい」

懐かしいお母さんの声がインターホンに聞こえた。

「あたし、瑞希」

「すぐ開けるわ」

同時に目の前のドアが開いた。

お母さんが顔を出した。

「ただいま」

あたしは言った。

「あら、帰ってくるなら連絡すればいいのに」

お母さんは目を丸くして驚いている。

予想通りの反応だ。

「エヘヘ、お母さんを驚かせたくって」

あたしは笑いながら言った。

「あら?」

お母さんが虹に気づいた。
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