ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 カウンターの上にあったA4サイズのコピー用紙に、長いこと筆談をした痕跡が残されていた。


 俺の不機嫌などおかまいなしに、ノアはあの可憐な花のような微笑を俺に向けていた。


 また再びこの笑顔を見ることができた喜びを必死で隠し、うんざりだと言わんばかりの表情を意識的に作って俺は出口へ向かった。


「すいません…。」


 俺に対してというよりは独り言のような、受付の女の小さな呟きが背後から聞こえた。


 署を出ると、俺の後をついてきていたノアが小走りして俺の横に並んだ。


 俺が隣のノアを見下ろすと、ノアは俺に満面の笑顔を見せた後、照れくさそうにうつむいた。


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