ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 手袋を貰いに行こうと立ち上がったが、偶然にも今、さゆりの部屋には俺と蔦山さん以外誰もいないことに気付いた。


 俺は再びしゃがみ込み、


「蔦山さん。」


 呼びかけると、


「何だよ?!」


 苛立った声で蔦山さんが答えた。


 蔦山さんの上半身はすでに、ベッドの下に呑み込まれてしまっていた。


「このネックレス…母さんが死に際に俺にくれた物なんですけど、これ、精巧に作られたメモリースティックだったんです。」


 蔦山さんは、ものすごい速さで、トカゲのように両手を使って、ベッドの下から上体を引き出した。


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