ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 俺は両脇の二人に促されるようにパトカーまで歩かされ、重光はパトカーの後部から運転席へ回り込んだ。


 異例の早さで出た逮捕状のことを考えると、俺が何らかの陰謀でまどかさんの殺害犯に仕立て上げられるのは確実だった。


 とりあえず、ここは逃げた方が良さそうだ。


「両手をパトカーに付いてください。」


 物静かな方の若い刑事が初めて口を開いた。


 俺が言う通りにすると、そいつは、俺の体を脇から順に両手で挟むように触れ、背中に潜ませておいたリボルバーを見付けて抜き取った。


「規則違反です。」


 静かに諭すように言った。



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