ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 何も考えてなかった。


 何の計算もなくただ、彼女に花を贈りたかった。


 すごくベタな方法だけど、俺の想いを伝える方法が他に見つからなかった。


 彼女は困惑した表情を見せ、助けを求めるように赤メガネを見た。


 赤メガネは慌ててまたさっきのスケッチブックを持ち出してきて、鉛筆で何か殴り書きすると彼女に見せた。


 彼女はそれをすぐさま読み終えると、俺の方へ向き直り、再び俺に花束を差し出しながら首を横に振った。


「返されても困る。俺の部屋には花なんか必要ないし…。だったらあんたが捨ててくれ。」


 俺がそう言って、差し出された花束を右手でそっと押し返すと、彼女はまた赤メガネを見た。


 赤メガネはハッとして、またスケッチブックに何か書き込み彼女に見せた。


 通訳の役割を率先してやってくれる彼女に感謝した。


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