ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 その時、俺のGパンの尻に入っていた携帯がけたたましく鳴り、俺は彼女を見詰めながらも携帯に出た。


「有坂、今どこだ?」


 蔦山さんだった。


 油売ってる俺はバツが悪くて、


「腹の調子悪くて、今公衆トイレにいます。」


 とっさに嘘をついた。


 赤メガネが、俺に気付かれないように顔を背けて、フフ…と笑った。


 全然気付いたけどね。


「さらに三人、ヤツラの仲間の身元が割れた。ケツを綺麗に拭き終わったら、今から言う住所に来い。」


 そう言って、蔦山さんは俺にメモを用意する時間も与えず、一方的に住所を早口でまくし立て、ブツッと電話は切れた。


 『チッ』俺は携帯の液晶画面を見ながら舌打ちし、携帯を尻ポケットに戻した。


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