ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 階段を駆け抜けるように降り、そして突き当たりの扉を開けた。


 視界に飛び込んできた光景に、俺の全身はしばし硬直した。


「あんたら、何やってんだ?」


 思わず俺の口から出た第一声は、この不可解な状況の説明を求める問いだった。


 部屋には、お互いに銃口を向け合った二人の中年男。


 監察局長の桜庭と…


 警視総監の親父。


「皆人、いいところに来た。龍一に呼ばれて来たんだ。この男を捕らえる、手伝え。」


 親父が不自然なほど優しい口調で言う。


 気持ち悪い…思わず首筋をボリボリ掻き毟った。


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