ロシアンルーレット【コミカルアクション】
 オヤジは少し辺りを見回し、俺たちの付近に誰もいないこと、そして、俺たちのことを誰も気に止めていないことを確認すると、さっきまでヤツが座っていたイスに腰掛けた。


「龍一(リュウイチ)に会ったのか?」


 そう聞かれ、俺はオヤジをマジマジと見詰めた。


 昨日の事件と兄貴(龍一)が結びついたのは何故だ?


 オヤジは何をどこまで知ってる?


 それを確かめるのはあまりに危険な気がして、俺はシラを切り通すことに決めた。


「兄貴とはもう10年会ってない。あんたもだろ?」


 オヤジは俺を鋭い視線で射抜いた。


 かつてオヤジがこんなにも真剣に俺の言葉に耳を傾けたことがあっただろうか?


 覚えている限りでは一度も無い。


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