異常人 T橋和則物語
「和則は馬鹿で知恵遅れ、救いようもない…だろ?」
そうか、あくまで馬鹿というのか? 彼女は腹をたてた。
「まだ……和則を……馬鹿っていうの」ミッシェルはとてもゆっくり、はっきりと問いつめた。
セロンは息を深く吸ってから、いった。「馬鹿は馬鹿さ。知恵遅れだよ。和則は馬鹿だし、知恵遅れで救いようもない。まさに悲惨な男さ」
ミッシェルが怒りにまかせて立ち上がると同時に、バスタブに爆発が起きた。湯がいたるところにはね、天井や壁も濡れて、セロンはズブ濡れになった。しずくを払いながら、ミッシェルはシャツに手をのばすと、ボタンと格闘しだした。
「くそったれ!」セロンはわめいた。「いったい何考えてるんだ……」
しかし、ミッシェルはセロンをおしのけて、猛烈ないきおいでベットにいき、濡れた体のまま服を着だした。セロンはぬれたままで、ベットルームまでいき、慌てて「なぁ、どうしたっていうんだハニー。お…おい!なにしてるんだ?!」
ミッシェルのやっていることは荷造りだった。クロゼットから乱暴に服をとりだし、とにかくカバンにつめこんだ。
「なんだよ。天国にもどるっていうのかい?俺に抱かれたほうが天国だぜ」セロンは笑った。とにかく笑いの世界にひきこもう。自分のやっていることがいかに馬鹿げているかを知らせるために。あんな和則みたいなのふたりっきりは御免だ。彼女とふたりだから、和則だって扱えた。でも、ひとりでどうしてあんな間抜けを扱えるっていうんだ?
セロンはしみったれではない。確かに、おんなの扱いはお手の物だ。しかし、あの和則のような異常人をどうやって扱うってんだ? 今、セロンがやらなければならないことは、ミッシェルを説得して、一緒にいてもらうことだ。彼女がいないで、どうして和則を扱えるだろうか。
しかし、ミッシェルは聞く耳ももたなかった。とうてい話をきく状態ではない。
「おい、よせよ!」セロンが抗議した。「君が必要なんだ!」
ミッシェルがいきなり振り向いた。目が危険な光を発している。「なんのため?」
そうか、あくまで馬鹿というのか? 彼女は腹をたてた。
「まだ……和則を……馬鹿っていうの」ミッシェルはとてもゆっくり、はっきりと問いつめた。
セロンは息を深く吸ってから、いった。「馬鹿は馬鹿さ。知恵遅れだよ。和則は馬鹿だし、知恵遅れで救いようもない。まさに悲惨な男さ」
ミッシェルが怒りにまかせて立ち上がると同時に、バスタブに爆発が起きた。湯がいたるところにはね、天井や壁も濡れて、セロンはズブ濡れになった。しずくを払いながら、ミッシェルはシャツに手をのばすと、ボタンと格闘しだした。
「くそったれ!」セロンはわめいた。「いったい何考えてるんだ……」
しかし、ミッシェルはセロンをおしのけて、猛烈ないきおいでベットにいき、濡れた体のまま服を着だした。セロンはぬれたままで、ベットルームまでいき、慌てて「なぁ、どうしたっていうんだハニー。お…おい!なにしてるんだ?!」
ミッシェルのやっていることは荷造りだった。クロゼットから乱暴に服をとりだし、とにかくカバンにつめこんだ。
「なんだよ。天国にもどるっていうのかい?俺に抱かれたほうが天国だぜ」セロンは笑った。とにかく笑いの世界にひきこもう。自分のやっていることがいかに馬鹿げているかを知らせるために。あんな和則みたいなのふたりっきりは御免だ。彼女とふたりだから、和則だって扱えた。でも、ひとりでどうしてあんな間抜けを扱えるっていうんだ?
セロンはしみったれではない。確かに、おんなの扱いはお手の物だ。しかし、あの和則のような異常人をどうやって扱うってんだ? 今、セロンがやらなければならないことは、ミッシェルを説得して、一緒にいてもらうことだ。彼女がいないで、どうして和則を扱えるだろうか。
しかし、ミッシェルは聞く耳ももたなかった。とうてい話をきく状態ではない。
「おい、よせよ!」セロンが抗議した。「君が必要なんだ!」
ミッシェルがいきなり振り向いた。目が危険な光を発している。「なんのため?」