SleepingBeauti
ふたたび、河内百合が口をひらく。

「厳格だと、思っていた父親は、ただの自己中心的で最低な人間だった」淡々とした口調で言った。

憎しみよりも哀れみのほうが色濃く強い気がした。

「父は、浮気してたの。いつからかは、わからない。気付いたのは、わたしが高校生になってから浮気ぐらいって思うかも知れない。でもわたしはゆるせなかった。だって、そうでしょ!わたしにはあれは駄目だこれは駄目だって、制限しといて自分は好きなことして、家族を裏切るなんて許せない」

河内百合の目には、にくしみの色しかなかった。

「だから………だから」

「だから?」

< 138 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop