SleepingBeauti
高知百合は突然の電話にもかかわらず、驚きもしなかった。

ただ、「白川くんなんだ、のぞみさんかと思ったよ」と言った。

ぼくが言葉に詰まり、何も言えずにいると、高知百合は、「何かあったの?のぞみさんは元気」と言った。

「………のぞみは、帰ったよ」

「え、どうして?」

「親が迎えに来たんだ。それにのぞみの父親は………ぼくの姉を轢き殺した人だった」

淡々と告げたぼくの言葉に、高知百合は言葉に詰まって、押し黙った。

そして、少しの間の後、高知百合は、言葉を発した。

「そう、それで白川くんは、引き止めなかったんだ」

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