SleepingBeauti
彼女を引き起こすと、河内百合はとんでもないことを口にした。

山下を睨みつけて

「わたしは白川君が好きなの」

そう言った彼女はぼくのほうを一度も見ることはなかった。

たぶん、あまりにしつこい山下への当て付けででた言葉だろう。

事実、山下の表情は落胆し、肩を落としていた。

それにぼくと彼女の距離が縮まったわけでもなかった。

意識したのは、ぼくだけで彼女の態度は今までなんらかわることはなかった。

山下のぼくにたいする態度だけはそうとうかわったのだけど、しかたないと思い気にかけないようにした。
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