SleepingBeauti
朝の七時に仕事が終わり、車で三十分程度のみちのりでアパートに着く。

帰りにコンビニに寄って、ぼくにとっては晩御飯を買って帰った。

だから彼女にあったのは八時になるかならないぐらいだったと思う。

白いコートに身を包み、玄関を開けた彼女は寒そうにコートの襟を掴み、外をみやった。

ぼくはちょうど、ドアのぶに手をあて、玄関を開けようとしていた。

だけど、彼女の姿をみると、玄関を開けるのを躊躇した。

「おはようございます」彼女が言った。

「おはようございます」ぼくもそうこたえた。

そう、ただ会話がしたいがために玄関を開けなかったのだった。

会話というにはあまりにも短い言葉だけど、ぼくにとっては十分過ぎるコミュニケーションだった。

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