SleepingBeauti
女性を部屋にあげるのは、初めてのことなのに、たいして、抵抗がなかった。

長い間、姉と部屋が一緒だったからだと思った。

彼女は部屋に上がると、一目散に火燵に潜った。

そして、顔を潜りこませ、コードを手繰り寄せた。

コードの先がコンセントに刺さっていないのを確認すると、彼女は落胆する表情と、ともに「あっ」っという、声が漏れた。

一部始終を黙認していたぼくは、彼女の行動が、今まで、描いていた彼女とは、あまりにも別人で、なんだか嬉しかった。

人形みたいな可愛い女の子は、どこか近寄りがたく、ぼくとは住む世界が違うと思っていた。

だけど、めのまえの女の子には、そんな雰囲気などみじんも感じなかった。
< 33 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop