SleepingBeauti
ぼくが部屋の隅に置いてある電気ストーブに火ををともすと、彼女は火燵から出て、ストーブの前に座った。

彼女の表情はにんまりしていた。

さっきまで、コンセントを必死で探していた彼女とは、別人のようだった。

一喜一憂する彼女がまるで犬や猫の小動物のように思えた。

愛らしいと思った。

必死な姿を黙認し、コンセントの場所を教えなかったのは、ちょっとしたいじわるだった。

悪意のない、いじわる。

彼女を見ていることで、なにか、安らぎを感じたから。
< 34 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop