SleepingBeauti
ストーブの熱で紅く染まった顔を、ぼくは、しばらくの間、見つめていた。

正確には彼女がぼくの視線に気付くまで。

彼女は、あらためてと、いった感じで、ぼくのほうを向くと、「ありがとう」と、笑顔で言った。

軽口の一つ、たたけないぼくは、「どういたしまして」と、こたえるしかなかった。

だけど、どんなに口下手であっても、これだけはきかなければならない。

どうして、こういう状況になったのかだけは。
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