SleepingBeauti
ルール
何から尋ねていいのかがわからないまま、時間だけは過ぎていった。

彼女も落ち着きを取り戻し、今ある、現実を必死に受けとめようとしている。

髪をかきあげてみたり、首を傾げてみたりと。

ふいに彼女が声をあげた。

「あっ」と、ぼくは急にあげた声に少し驚いたけど「何?」ときいた。

すると彼女は「わたし、のぞみ、あなたは?」と、きいたので、ぼくは「憂」と、こたえた。

「お隣りさんなのに名前も知らないって不思議ね」と、のぞみが言った。

「そんなもんだよ」と、ぼくがこたえると、のぞみは「なんか、寂しいね」と言った。
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