SleepingBeauti
すでにのぞみの名前を知っていたことは黙っておいた。

悪意はなくても人によっては、あまりいい行為だとは思えなかった。

事実、ネームプレートを見た時も、堂々とした態度でみたわけじゃない。

さりげなく、通りすがりにみたのだから。

「あの」と、のぞみが言った。

続けさまに「………わたし、どうしたらいいの?」と、言った。

「どうしたらっていっても………」その後に続く言葉がみつからない。

のぞみの問題を何一つ知らないぼくに答えがあるはずがないのだから。
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