SleepingBeauti
部屋の中央に位置している火燵がぼくたちの境界線と言える。

火燵の中央を玄関方向に線を引くと、全くちがう雰囲気の部屋があった。

油絵のパレットのような感じ、くぼみがあるわけでもなく、淵があるわけでもない。

それでも、別々の色がしっかりと区切られていた。

ぼくの部屋は二段ベッドと火燵の半分、きわめてシンプルで、色で例えると白だ。

その点、のぞみの部屋には小さな鏡台に置かれた化粧品が、ピンク色を連想させた。

火燵の横に布団を敷いて、丸くなって寝ている、のぞみを見ると、なぜか、ぼくの心は癒される。

素直に可愛いと思ってしまうぼくがいた。
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