SleepingBeauti
河内百合をコンビニまで送りとどけた。

家まで、送ると言ったが、コンビニでいいからと丁寧に断れた。

「そう?」とのぞみは不思議そうに言っていた。

河内百合がおりると、のぞみは席を助手席に移った。

「可愛い子ね」のぞみがぼくの顔をじっと見つめ言った。

「うん」

「清楚だし、礼儀正しい」ぼくはのぞみに少し嫌味のような口調で言った。

のぞみは口を尖らせ、拗ねるような表情をした。

ぼくの口から冗談が自然とでていた。

のぞみがボソッとつぶやいた。

「孤独な町に帰ってきたな」

のぞみが何を指して孤独な町だと言ったのかはわからなかった。

それでも、ぼくも同じ思いにかられた。

「孤独な町」心の中でぼくものぞみの言葉を反芻した。
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