SleepingBeauti
事実だけを忠実に告げたことにたいして、のぞみの反応が気になった。

少しは怪訝な顔をするかとも思ったが、のぞみは、素知らぬ顔をしていた。

その通りよって思ったのかも知れない。

同棲ではなく同居。

居候という表現が正しいのだけど、それでもぼくは、ぼくの中では、着実に、ただのルームメイトでは、なくなりかけている。

そこにあって、当たり前の存在。

なくてはならないもの………そんな存在になっている気がしている。

なんの感情もなく、告げた事実だけの言葉にたいして、ぼくだけが後ろめたい思いにかられていた。

もっと近くに感じたいと、はじめてぼくは、実感したのだった。
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