委員長が泣いた日(短編)



満足気に委員長に笑いかけると、委員長はまた苦々しく笑ってそれから私の肩を掴んで

私と委員長の間にある教卓を乗り越えた。


「委員長……?」


抱き寄せられた肩と密着する体。私の手は委員長の胸元に押さえつけられて、背中には委員長の腕がきつく回されていた。

さっき私が委員長を抱き締めたのとは違う、委員長が私を抱き締める感じ。

ザワザワする胸は、言い換えればドキドキなのかも知れない。


「落ち着くから、ちょっとこのままでいさせて」

「う、ん」

それならしょうがないと強張っていた体を楽にした。
さっきは私が抱き締めてあげたのに、今は私が抱き締められてる。それでいいのかな?

なんて疑問を抱きながらも委員長の胸に顔をすりよせて目を閉じた。

「ヨシヨシ泣くんじゃないよー」

「なんかそれムカつくな」

クスクス笑うと両肩を掴まれて少し体が離される。それからすぐまた委員長が近付いて

唇が熱くなった。




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