【完】スマイリー☆症候群



「……お前、まさか忘れたとか言わないよな」


暫くの沈黙に何か勘づいたのか、望月はか細い声で呟く。

不安気な望月に俺は焦り、脳内を何度も探ってみる。だが、やはり何でかどうしても思い出せないのだ。


「……ちょっと待てよ」


突然清水は口を開くと、顎に手をやり、難しいような顔をした。


「……植木、去年休んでただろ」


眉をひそめて、ポツリと一言。

俺は、清水の言葉に記憶を辿らせる。

俺が、休んでいた。


「そうか! 清水の言う通り、俺は去年の今日休んでいたのかもしれん」


きっとそうに違いない。

その理由なら、俺がバレンタイン合戦とやらを知らないことにつじつまが合うからな。


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