溺れた愛のシルシ
「ごめんなさい…。ちょっと用事思い出しちゃって…。」
こんなの無理やりすぎる言い訳だって、
みんな分かってるはずだから...。
あたしは扉を
勢いよく開けて、走った。
「ハァッ…ハァ…。」
ずっと足を止めずに走っていたら、
知らぬ間に学校の近くまで来てしまった。
「那奈ちゃんっ。」
え…?
息が途切れ途切れのあたしに、
声が出るはずもなかった。
それに、声も出ないほど、
驚いていたから...。
だってそこには…。
「...んか、具合悪かったりした?」
あたしを追って走ってきた、
さっきのカラオケの彼がいた。