Escape ～殺人犯と私～

「緋央さんは、お若いのに１人暮らしなのね。」



突然のお婆さんの質問に、私は驚いた余り、食べものを喉に詰まらせそうになった。



「……はい。今は親が離れて暮らしていて。」



軽く説明をしながら、私は横目で少年を見た。



何で知ってるの？彼氏しか知らないはずなのに…。



「緋央さんを泊めてしまったから、ご両親が心配なさらないか気になってたの。」



心配性なお婆さんの言葉に、私は全く気にしないで大丈夫だと話した。



間を割って入るように、少年が空になった食器を御盆に乗せ始める。



「俺が片すので、テレビでも観てゆっくりしてて下さい。」



少年はテレビをつけると、皆の食器を集めるとキッチンへ行ってしまった。



ボロの出やすい私の話題じゃなく、差し障りないテレビの話でもしててくれと言うことかも知れない。




お婆さんは少年に感謝しながら、ソファーに腰掛け

私はテーブルを拭いた。


少年は