特等席





教室に入ると、それぞれの友達に挨拶される。





「日向、今日先帰る?」



「彼方、部活何時終わり?」



「今日は、5時30分くらい」



「んー、なら課題しながら待ってる。今日夜ご飯彼方の家だし」





今日はお母さんもお父さんも遅いから彼方の家でご飯。





ちなみにお母さんは看護師で、お父さんは普通の会社員





「そっか、なら放課後な。」



「ん。終わりそうな時間にグラウンド行くから。」





そんな話をして、それぞれの友達の所に行った





「おはよう、日向」



「おはよう、葵」



「今日も仲いいね、彼方君と」





ニヤニヤ笑うのは中学時代のときからの親友、葵(アオイ)





なんでも、彼方との関係を幼なじみから恋愛にしたいみたいで、いつもニヤニヤしている。





「彼方は幼なじみだからね。」



「うん、知ってるー」



「それに彼方、彼女できたみたいだよ」





その言葉を聞いた葵、あからさまにがっかりしていた。





「彼方君、また彼女ー?もー、彼方君には日向しかいないのに」



「いや、そんなことない」





葵がどんなに思っても、彼方との関係が変わるなんてありえない





「彼方君って、なにげ人気だよね。そんなかっこいい!って言えないのに。そりゃ、不細工かかっこいいなら迷わずかっこいいって答えるけどさー」



「彼方は優しいからね。あの優しさが人気に繋がるんじゃない?」




彼方はすごいかっこいいとは言えない、だけど、平均的だと思う




普通にかっこいい、みたいな?





だけど、彼方が人気なのは、誰にでも優しいからだ。区別なく優しい彼方に惹かれる人はきっと多い




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