治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「ごめんなさい、あなたの右腕に比べたら私の痛みやあの子の泣き声だって比べものにならないの、に……。
私のわがままが混じってます。あの子を泣かしたくないって。これ以上、あの子に涙を教えたくない……」
彼の右腕に手を添える。
治れ治れと思い、しばらくすれば彼が右腕を動かした。
「………、傷は治るが、トラウマは一生か……。ユリウス、君がアレを見て、何を見(おもっ)ているかは知らない。
けど、今の君を見て思ったよ」
目の部分をこすられた。
ありがとう、とお礼を囁かれて。
「確かに、泣かれるのは痛いね。あの子ではなく、俺は君に対してだが。君が泣くのは右腕が折れた時よりも“辛い”よ」
「シブリールさん、じゃあ」
「君が泣き止むなら、俺は何もしないよ」