治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
両手を軽くあげて無害という表現をされた。
ならば、これでもう終わり。後は。
「っ、う、わ……!あぁぁっ、ママ、ママ!」
泣いているあの子を安心させるだけだった。
慰めるのはママだけじゃ足りない。――いや、むしろ、“あのママ”だからこそ悲しいのかもしれない。
「待って、ユリウス。危ない」
「行かせて下さい、アリスちゃんが」
「俺の今使える魔術は、あの黒人形は壊せない。死体だが、あれは創られた肉でもある。
生身の人間より強度が高く強い故に、人間を押しつぶせるほどの圧力を持たない俺にアレを壊す術はない。
あの黒人形は慰めているようだが、オートで主人を守るぐらいのことはするだろう。制御する奴があれじゃあ、近づく者にところかまわず十字架を振るう」