治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


「ほっとけません。遠くからでもアリスちゃんに声をかけて――」


途端、口を塞がれた。

後ろからがっちりと抱きしめられて動けず。


「声、絶対に出すな。息もなるべく抑えて。っ、厄介なことになった」


耳元でそう呟かれる。


いきなり何をとも聞けず、私は泣いている子の声を聞くしかないのだが。


「…………」


口が開いたら声をあげていただろう。


死体がまた土から生まれてきた。


指揮をするアリスちゃんはもう戦いを放棄しているというのに、それとは意に反するように死体が土から生まれ出流(いずる)。


出たと思えば、キョロキョロ周りを見回し。


「ああっ、う、っあ、ふ!げほっ、ママ、ママ!」


泣いているアリスちゃんに皆一様に近づいていった。


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