治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
よってたかって、彼女のママを叩いて、噛みつくものだっている。
アリスちゃんに覆い被さる体――丸まった背中の服が破れ、肉に傷がつく。
髪を引っ張られても、黒人形はがんとして動かなかった。
「あの子が泣いているせいだ。頭脳がない奴らは、“いると判断出来る者”に襲いかかる。
何を殴っているかもあれらは知らないだろう。ただ、在るから食べたいだけ。
死体はまずいと、あちらで擦り込まれているのだろうね。生きているモノならば何でも食いつくよ。
ほら、あいつら、黒人形に最初は噛みついたようだけど、今は叩き続けるだけだ。見苦しい光景だな」
そう解説する彼の手をどかす。
「何とか出来ないんですか……!」
「無理だよ。圧力かけようにも、燃やそうにも、何をやろうにも、だ。あの囲みようじゃ、アリスたちも確実に巻き込まれるだろう。
仮にも攻撃し、決まったとしても。あいつら、標的をこちらに変える」