治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「座れ。立っていては疲れるだけであろう」
手招きされるような誘いを受けてしまった。
はい、と言ってテーブルへ。どこに座るか迷い、とりあえずは、ラグナロク様から近くもなく離れすぎもしない中間のあたりに座ろうと。
「どうぞ」
「うわっ」
いきなり真後ろから声がしたので驚いた。
見れば先ほどの男性が、用意した椅子を引き、座るように手をさしている。
「マトリと申します。以後、お見知りおきを。お嬢様」
「は、初めまして」
椅子に座る。
隣には彼の椅子もあったが。
「俺はいい。下がれ、人形。貴様の顔は薄気味悪い。ついで、ユリウスに近づきすぎだ。
忠告しておく。今後、彼女の半径三十メートルに近づくようなら、その気味悪い顔を粉々に粉砕するからな」