治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
こんな局面にだけ開放する倉庫。
自ら事前に精製した武器や、そこいらで売っているような代物もある。
番号を言っていたのは、どれを出すかをはっきりさせるため。
彼の頭には己が倉庫の情報が刷り込まれている。三桁を越えようとも、何番が何で、何ができ、何に適しているかぐらいは認識している。
所持品を把握するのは持ち主として当たり前であり、刷り込まれた認識は、指一つ、声に出さずとも番号と通路を開く文様を書くだけで良かった。
画期的といえよう。
魔術師の弱点を拭い、弱点にあえて挑んだ彼の修練の成果だ。
もっともの話、今となってはある程度の代物しか出せないだろうと彼は知っている。
力の縛りがある今、武器をこちらまで通す“穴”は小さいものしか開けられない。
大振りの刃物があれば、こんな盾なんか出さずに、そちらで払いのけたのに。というのが、今ある彼の悔やみだ。