治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


彼が出すものは、全て魔術からなるもの――魔術の一つが、精製(メイカー)と思われがち、それは半分誤りだ。


物を一から精製するには、五節におよぶ詠唱がいる。


オリジナルを出そうとするなら尚更、頭のイメージを深く濃くしなければならい。


それは、彼の戦闘スタイルに反する行為だ。

接近戦を用いるため武器を作るが、作る時点で時間がかかってはいけない。


本来、詠唱破棄の呪いがなければ、彼は指を動かすだけで武器を“取り出せる”。


頭のイメージを世界に出すのではなく、別の場所から持ってくるという定義だ。


通路を作るのは簡単だ、繋ぐのだって詠唱なしでやってのける。


住み慣れた我が家に行くのに、いちいち道順を頭で反復する奴がいないように、彼もそれと同じ。


彼には、“倉庫”があった。


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