治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「あれが、レステ座。狩人で弓の名手だったらしい。あれらと月の距離から時刻を知るんだ」
指が落ちる。
彼の講義はこれでおしまいみたいだ。
冷たい手だと、私の手は握られたまま。
夜空から彼にまた視線を移す。
笑う顔が綺麗だった。
こちらまで笑ってしまうような和やかな笑み。
「これからもっともっと、楽しいことが待っているよ」
「そうですね。もっと楽しめるように、その時はまた詳しく教えて下さい」
「ああ。俺も教えたいから。いや、一緒に見たいんだ。ユリウスと一緒に見ると……君以外に、何も考えなくて済むから」
合っていた眼差し――彼が視線を逸らす。
焚き火に向いて、薪をまたくべているよう。
握ったままの手が汗ばんできた。
離そうにも、彼が離そうとはしてくれない。