治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
「運がねえなぁ、おめえら。いてえめみたくなけりゃあ、おとなしくしてろぅ」
欠けた歯のせいか、よく分からないけど、男のかつぜつが悪くて聞き取れない。
その群れのリーダー格か、周りの奴らより一歩分前に出た歯っかけが指差し何かを叫ぶ。
「おい、きぃてんのかっ。こらぁぁ」
聞いてはいるが、聞き取れないとは言えずに返答はしなかった。
どちらにせよ、こんな奴らとは話したくない。
盗賊。
まさかこの目で見るときがこようとは。
本で読み、イメージしていた姿と変わりないのだから分かりやすかった。
因みにだが、本によれば盗賊とあったさいにはすぐに逃げるべしともある。
「シブリールさん、逃げましょう」
「……、いや、動かないで」