治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
男たちがこちらに近づく。
一番近い歯っかけと目が合ってしまった。目に毒だ。
視線をそらしても、ばっちりと歯っかけの眼中に入った私は。
「女ぁ、おいていってもらうぞー。おめえらぁ、今日は宴会だぁぁ!」
男にとってはいい肴らしい。
かつぜつ悪い歯っかけのくせして、今のは聞き取れてしまったのだから最悪だ。
飛んでいた野次も、口笛やらゲスな笑い声に変わっているし。
「まずはおれがみつけたんだーっ、おれで構わねえよなぁ」
近づく歯っかけ。
拳を知らずと握りしめるが、私でどうこう出来る人じゃない。
ならば、私が頼るのは彼しかいないのだが。
「え……?」
止まっていた彼がふと、アクションを起こした。