治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
まずいまずいを何度も思う。
本当に、こんな奴らの肴になってしまうのかと嫌なイメージが出てきてしまった。
「シブリールさん、どうす――」
「一斉にこいっ、ハエども。手っ取り早く八つ裂きにしてやろう!」
どうしてこの人は、状況を悪化させることしかないのだろうか。
叫んでも遅い。
こちらがあおったせいで、見逃してもらえるということが出来なくなった。
こうなれば、彼と一緒に戦うしかないかと薪を握るが、ダメだ弱い私なんかでは。
彼も彼で軽く魔術は使えても、私の二メートル内でしか動けないから肉弾戦に向かなそう。
旅の初っぱなからこんな災厄に巻き込まれるとは不幸だ。
頭にあるのは村人たちの姿。優しく温かい村で……まずい、現実逃避に入ってしまう。