治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


「ヒャハ、てめえら終わりだよっ。お頭がじかに手を出してやるんだからなぁ。

おれら、なめくさったこと後悔しやがれ。おれら盗賊団、夜の獣を敵に回した恐ろしさは知らねえとは言わせねえぞ!」


お頭がきたのが、そんなに気合い入ることなのか。歯っかけ代理の口はよく動く。


「シブリールさん……」


こっそりと彼に話しかける。


「どうしましょう。知らなかったと知られれば、余計怒らせてしまうみたいです」


「知らなくていいでしょう。盗賊はね、あんな感じに自分たちは有名なワルだと思い込んでいるバカばかりだから」


「しっ、声が大きいですよ」


「小さくすることもない。夜の獣だなんて、変な名前だよねぇ。聞いたことがない、知らない、知りたくもない。

ハエしかいない屑集団、夜の獣ではなく、ゴミだめの羽虫という名が相応しい」


「てめえら、なに言ってやがるっ!」


飛んできた野次には、聞こえちゃったじゃないですかー、とシブリールさんに責任を押し付ける。


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