治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
シブリールさんを見て、唇を軽く舐めたあたりマジなのだろう。
下っ端もフォローできないか、声も出せないよう。
――ただ。
「ユリウス、今こそ。『シブリールさんに犯されていいのは私だけですっ!』と宣言する時だ」
変態は、変態を超えた。
「言いませんっ。というか、自分はあくまでもアレ相手でタチの位置になるんですか」
「タチって……、っ、ユリウス、どこで覚えたんだそんな言葉!」
「あ、いや……。ともかくも、誰も言いませんからね。そんなこと」
「どうして。俺は高らかと、宣言して、愛を語ったというのに……!」
「後何回叩けば、あなたはこりるんでしょうか」
怒りが湧いてきた。
この絶対絶命的状況下で、どうして彼はこんなにも普通でいられるのか。
まるでこんなこと造作もないと多寡(たか)をくくっているようだ。