治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
【焔に生を。食い尽くせ。己の活力は我が手に】
夜が震えた。
聞き慣れない響きはよく浸透して、知らない世界にまで行くような魔の音色。
投げた薪が燃える。
だが、それだけじゃない。
夜が震えたと言ったのは、そこに“昼”がきたから。
昼のように明るい炎は大きく、闇を呑み込み辺りを照らす。
お頭の火玉など微塵にも思ってないのか、出現した炎は全てを呑み込む。
ソレには口があった。
耳まで裂けたような、笑う真似事をしている丸い炎は、妖怪の類に見える。
「ひ、ひい……」
昼を作る炎は、闇にいる奴らの恐れ顔をよく照らす。
皆が怯えていた、炎一つで。
そうして、私でさえ怯える。