治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん
男たちの逃げ道に木がなぎ倒れる。
大木だ、障害にしかならない。何よりもいきなり落ちてきた木で男たちの逃げ足がすくぶってしまった。
「あ、あ……!おか、お頭ぁぁっ」
逃亡者が追いつめられての頼みの綱がそれだった。
私たちに近づかないよう、遠回りをして男たちはお頭に集まる。
総勢十五人が固まった。
十四の期待を背負うお頭だが。
「火………、風……な、ない……ありえない」
その大きな体でさえも震えていた。
首を振ってみたり、そわそわしてみたり、挙動不審。
化け物を見るめつきだが、お頭のそれは、あきらかに他の連中よりは上だった。
「おまえ、若い……、二つ、ありえない。おで……まだ、一つ」
「何を言っているか分からないな、脂肪。大きな声で叫んだらどうだ。
ああ、何なら、俺が叫ばせてやろうか?」