治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん


それを見たお頭がまた悲鳴をあげる。


挙動不審が情緒不安定になるほど、あの人は混乱しているようだった。


「クッ、いい声で鳴け。夜寝る鳥たちを起こすぐらい大きくな……!」


彼の指が鳴る。


「楽しい楽しい殺戮の時間だ」


瞬間、水玉が一斉に発射された。


――雨、だった。まるで。


“横に振る豪雨”と可笑しな表現を思いつく。


ただ、雨と違うのは人に害を与えるところ。


凶器だった、それは。


「ぐ……!」

「ぎゃっ」

「づ、ぐ!」



雨と名乗る石つぶて。

滴の一つ一つが固いのか、無数に発射された水玉たちは男たちの体にぶつかり悲鳴をあげさせていた。


散弾銃にやられた人たちみたいだった、この有り様は。


一回の発射で十以上の人が倒れる。


おえつをあげて、血は出ていないものの、打撃の痛みに悶絶していた。


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